賃貸住宅のバリアフリー化は稼働率アップに役立つ
賃貸マンションやアパートの経営は、安定性の高い投資手法であるとして長らく評価を受けてきました。しかし近年では、本格的な人口減少社会の到来を受け、入居者を確保することが必ずしも簡単ではなくなってきています。そのため、各物件所有者は稼働率の向上のためにさまざまな対策を講じる必要があります。そんな中、注目を集めているのが賃貸住宅のバリアフリー化です。
従来、わが国ではある程度まで年齢を重ねるとアパート等から持ち家へと生活拠点を移すのが一般的でした。しかしライフスタイルの多様化などから、最近では生涯を賃貸住宅で過ごす人も珍しくなくなっています。また、少子高齢化の進展に伴い、構成員が高齢者のみで占められる世帯も年々増加傾向にあります。賃貸住宅のバリアフリー化は、こうした情勢に対応した施策です。
加齢に伴って体力的な不安を感じている人でも暮らしやすいような住環境を整えれば、安心して利用してもらえるようになります。これによって稼働率が向上すれば、物件所有者にとっても大きなメリットとなります。バリアフリー化の具体例としてはさまざまなものを挙げることができますが、代表的なところでは居室内の段差を解消して転倒事故が起きにくいようにする、階段や廊下に手すりを取り付ける、ヒートショックを防ぐため浴室に暖房設備を設置する、などがあります。車椅子のままマンションに入館できるよう、エントランス部分にスロープを設けるなども一例となります。